帝王切開の由来・語源 なぜ「帝王」と付くのか 4つの説

皇帝カエサル

帝王切開はなぜ「帝王」なんていう全然関係のない言葉が付いているのでしょうか。帝王切開の由来には諸説あります。今回は帝王切開の語源を探っていきたいと思います。

ドイツ語の翻訳を間違った説

ドイツ語では帝王切開を「Kaiserschnitt」(カイザー・シュニット)と書きます。これが日本語に翻訳される時に、「Kaiser」(帝王)と「Schnitt」(切開)に分けて翻訳したため、帝王切開と誤訳してしまったという説です。現在、一番有力とされている説です。

誤訳をそのまま使っている説

帝王切開はラテン語でセクティオ・カエサレア(sectio caesarea)と言います。セクティオの意味は切開。カエサレアにも切ると言う意味があります。このカエサレア(caesarea)をドイツ語に翻訳する時にカエサル(caesar)と誤訳してしまい、そのまま使っているという説です。

カエサルとはローマ皇帝ガイウス・ユリウス・カエサルのことです。英語読みではジュリアス・シーザー。どちらも一度は聞いたことのある名前ですね。
カエサレア(caesarea)を皇帝カエサル(caesar)と誤訳してしまったという訳ですね。

カエサルが子宮切開から生まれたという説

カエサルが子宮切開(帝王切開)から生まれたから、この手術の名前が帝王切開になったという説。

この説は誤りである可能性が高いです。まず、カエサルの伝記「カエサル伝」にはカエサルが帝王切開で生まれたと言う記述はありません。

当時は「母親が死亡した」場合に子供を助ける最後の手段として帝王切開を行っていました。そのため、この説が正しいとすると母親はカエサルが生まれた時に亡くなっていなければいけません。

が、母親は亡くなっていません。カエサルが40歳を過ぎた頃まで生きていた母親が、カエサルを帝王切開で生んでいたとは到底思えません。

ハサミのシザーを誤訳した説

帝王切開は子宮をハサミで切るという意味がありました。このハサミ「シザー」がローマ皇帝 ジュリアス・シーザーと間違えられ日本語に翻訳されたという説。

いずれの説にも出てくるローマ皇帝カエサル

  • ドイツ語のカイザーシュニットを誤訳した説
  • ラテン語のセクティオ・カエサレアを誤訳した説
  • カエサル自身が帝王切開から生まれたから説
  • 英語のシザーをシーザーと間違えた説

まとめてみると、どうやら鍵はカエサルと翻訳の間違いにありそうです。ドイツ語のカイザー・シュニットのカイザーも語源はカエサルにあります。
※Kaiser=切るという訳もあるようです。

今となっては何故、帝王切開と言うのかは諸説入り乱れて確かなことは分かりません。しかし、一つだけ確かそうな物が見えました。「帝王とはカエサルを指す言葉」という事です。どこかで間違って彼が紛れ込んでしまったんですね。

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