今回は、「料理のさしすせそって何?」という疑問を解決したいと思います。和食の基本である「さしすせそ」をマスターすることでグッッと料理への理解が深まること間違いなしです!
料理の基本「さしすせそ」の意味とは
「料理のさしすせそ」とは調味料の名前です。
- さ・・・砂糖(さとう)
- し・・・塩(しお)
- す・・・酢(す)
- せ・・・醤油(せうゆ)
- そ・・・味噌(みそ)
「し」が醤油なんじゃないかとか、そは「ソース」だろとか色々と突っ込みたくなってしまいますが、皆さんはいかがでしょうか。
醤油は昔「せうゆ」と表記されていたので、「せ」に来てるそうです。
実は「さ・し・す・せ・そ」は料理に投入する順番になっているのです。
なぜこの順番がいいのでしょうか?
「さしすせそ」の順番には意味がある
料理のさしすせそは砂糖、塩、酢、しょうゆ(せうゆ)、みそということが分かりました。
ではその並び順には意味があるのでしょうか?
答えは「はい」です。
さしすせその順番で入れる理由があるんです。
砂糖は大きい
砂糖は食材に浸透するスピードがとても遅い調味料です。
これは砂糖の粒が塩に比べて大きいことが理由です。
スーパーで買い物した時を想像してみてください。
あなたは買い物を終えて、袋に詰める時どういう風につめるでしょうか?
大きなものを先に入れて、小さなものを空いたスペースに入れるとうまくおさまることが多いと思います。
食材も同じで、先に塩などの小さい粒を入れてしまうと食材の穴がふさがってしまい、砂糖のような大きな粒は食材に入れなくなるんです。
塩は砂糖のあと、という意味
塩は粒が小さいから大きな粒である砂糖のあとに入れる。一つはその理由です。
二つ目の理由が、食材の水分を外に出す効果です。
「サラダなどを作るときにドレッシングは食べる直前にかけよう!」
なんて言われているのを聞いたことがありますか?
サラダを食べるずっと前にドレッシングをかけてしまうと、塩分が野菜の水分を外に出てしまいます。
せっかくのシャキシャキ野菜が、べちゃべちゃのふにゃふにゃになってしまって台無しですね。
塩は水分を外に出したあと、代わりに自分が食材にスッと入りこみます。
細かい粒である塩が入り込んでしまうと・・・そうです、大きな粒の砂糖ちゃんが入っていけなくなるんです。
なので、砂糖を先に入れて、十分食材にしみ込んでから塩を入れる方がおいしくなるんですね。
酢・しょうゆ・みそは香りを楽しみたい
酢の独特の酸味、しょうゆの香ばしい香り、みその豊潤な風味、全てが和食にはかかせない最高の調味料ですよね。
では、仮にこれらを先に投入するとどうなるでしょうか。
グツグツグツグツと煮込んでいくほどに酢の酸味は飛び、しょうゆの香りはどこへやら。
味噌汁なども最後の最後に味噌を溶いてさっと火を入れると風味豊かに仕上がるそうです。
香り高い発酵食品(しょうゆ、みそなど)は最後に入れると楽しめますよ!という先人の知恵ですね。
私のようなバカ舌の持ち主だといつ入れても醤油の味は醤油だろうし、香りを楽しむ・・・といわれてもちょっと分かりませんが、きっとそういうものなのでしょう!
順番に逆らうとどうなる?
最近はレシピサイトなども充実していて、色々なレシピに出会う機会も多いですよね。
レシピサイトなどでよく「塩、しょうゆ、みそ、さとう」を合わせて①の合わせ調味料を作っておく。
みたいなこと、よくかかれていませんか?
個人的には作るときには合わせ調味料をドバッと入れたほうが簡単だし分かりやすいのですが・・・。
これは例えば鯖の味噌煮など煮詰める料理に関してはみその風味というよりは味を入れていく料理なので、順番をあまり考えなくてもよいそうです。
つまり、さしすせそはあくまでも基本であり、料理によっては変えてOKだよ!ということなんですね。
絶対の基準でないのはホッとしました。
酒とみりんはいつ入れる?
料理のさしすせそには和食でよくつかう「酒」と「みりん」をいつ入れるのか書いていません。
酒もみりんも「さしすせそ」ができた当時は超高級品だったから入れなかったのでしょうか?(あてずっぽう)
とにかく現代では必須の調味料ですから、いつ入れればいいのかは知っておきたいですよね。
酒もみりんも「最初」に入れるのが正解です。
酒もみりん(本みりん)もアルコールが含まれているので、アルコール分を飛ばすためにも先に投入する必要があります。
最後にみりん風調味料ですが、どこを調べてもあまりおすすめされていませんでした。
添加物が多いため料理人や料理研究家は避けたがるようですね。
私はついつい安さに負けてみりん風調味料を買ってしまうのですが・・・次回から本みりんを買いたいと思います!
ちなみに、味醂風調味料を使う場合、最後に投入が正しい使い方みたいですね。
塩・コショウのシンプル料理の場合は?
「さしすせそなんて大仰だ! 私はシンプルに塩コショウが大好き!」という方もいらっしゃると思います。
もちろん私もよく塩コショウだけのシンプル飯を作ることがあります。
でも味付けって炒めてすぐなのか、炒め終わった後なのか・・・気になりますよね。
答えは調理が終わる直前、十分に炒め終わってから塩・胡椒の投入です。
塩は水分を出す働きがあることはご紹介しました。
なのであまり先に入れるとベチャっとした仕上がりになるので、後から入れる方がいいみたいですね。
調理のさしすせそのまとめ
今回の記事をギュっとまとめてみたいと思います!
- さ・砂糖、し・塩、す・酢、せ・しょうゆ、そ・みそである。
- 砂糖は先、塩はあと、すせそは香りを楽しむため最後のほうに入れる
- サバの味噌煮などこの限りにあらず!
- みりんと酒は最初に入れる!
しょうゆのことをせうゆと表記していた時代にできた言葉「調理のさ・し・す・せ・そ」ですが、当時の人々は科学的に理由を知っていたわけでは、もちろんないと思います。
日本独自の食習慣を何世代にもわたって重ねてきた私たちの御先祖様が体験としてつむぎだした料理の知恵袋の一つだったんだなと感じました。
いつもまず飯を作っている私ですが、さしすせそのルールを覚えたからには、おいしい料理が作れるような気がします!
みなさんの作る料理が少しでもおいしくなるように。と願って記事を終えたいと思います。