知らないと嫌われる!?箸のマナーとタブー 絶対NGな嫌い箸とは

マナー良く食べるリス

 マナーの悪い箸の使い方を「嫌い箸」と言います。でも、最近は教えてくれる大人も少なくなってしまい、知らず知らずのうちにマナー違反をしているケースも目立ちます。

 今回はお行儀の悪い箸の使い方についてお勉強したいと思います。知らないと大事な席で恥をかくかもしれませんよ!

箸のマナーとタブー いわゆる嫌い箸って何?

 お箸を使う際に、お行儀が悪いとされる行為があります。それを嫌い箸と言います。忌み箸(いみばし)禁じ箸(きんじばし)とも言われます。

 知らず知らずのうちに嫌い箸をしてしまうと、大事な席で「この人はそんなマナーも知らないんだな」と思われてしまい、相手との関係が悪化するなんてこともありますので、スマートに身に付けておきたいですね。

 では、一つ一つ嫌い箸について見ていきたいと思います。

箸渡し(合わせ箸、拾い箸)

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箸渡しとは

 「合わせ箸」や「拾い箸」とも言います。箸から箸へと料理を渡すことから箸渡しと呼ばれています。

 ありがちなシチュエーションとしては「このおかずあげる!」と言われて箸で渡されたおかずを、箸で受けてしまう時などでしょうか。
 
 箸で取ってもらった料理は素直にお皿に置いてもらいましょう。

なぜ箸渡しが駄目なのか

 火葬された遺骨は箸から箸へと渡してから骨壷に納める方法が一般的です。

 その時の所作と同じ事を料理でしてしまうのは縁起が悪い、行儀が悪いとなり、箸渡しは食事の時にしてはいけない動作になりました。

舐り箸

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舐り箸とは

 「ねぶりばし」と読みます。食事中、箸に米粒やおかずがついてしまうことってありませんか?その箸を口の中に入れて舐め取ってしまう行為を舐り箸と呼びます。 

舐り箸がなぜいけないのか

 箸をペロペロ舐めたり、口の中にいれてにゅも~っ箸を舐め取るような仕草って見ていてどうですか?

 見た目からしてすでにアウトですよね。食事のマナーとは本来、相手を不快にさせず、気持ちよく食事をするための所作です。

 友人や家族との食事では気にならない行為かもしれませんが、オフィシャルな場では控えたい嫌い箸のNo1にあがるでしょう。

じゃあ米粒がついたらどうするの!?

 どうしても米粒が箸についてしまうことってありますよね。そのままおかずに手を出すと、その米粒がおかずに落ちてしまうし、もうどうしたらいいんだ!!って思うかもしれません。

 米粒が箸についてしまった場合は、正式には懐紙を使って箸についた食べ物をふき取るのですが、普段はそんなこといちいちしてられませんよね。

 なので、誰にも見られないよう・・・そっと・・・スッと・・・茶碗の箸でこそぎ落としましょう!!

 え?それこそ行儀悪そうですって?いえ、大丈夫です(たぶん)。見られないようにそっと・・・というのがポイントですよ。

立て箸(仏箸)

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立て箸とは

 仏箸とも呼ばれるたてばしとは、その名の通りお茶碗にご飯を突き立てることです。

 一般的に立て箸を飲み会なんかでやってしまうとドン引きされます。間違いないです。絶対にやらないようにしましょう。

なぜ立て箸がいけないのか

 仏箸と言われるとおり、立て箸とは葬儀などの際に亡くなった方へご飯を捧げる時の所作です。

 茶碗によそった飯に箸を立てて、どうぞお上がり下さいとお供えするわけです。

 その行為を他人の面前でしたらどうなるのか。「わしに飯を供えんな!まだ仏様ちゃうわ!!」と怒られてしまうわけです。

 立て箸だけは、例え親しい友人の前でも絶対にやらないようにしましょう。本当に常識の無い人なんだなと思われるだけで一切得がありません。

刺し箸(突き箸)

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刺し箸とは

 おかずに箸を突き刺して食べる行為のことを言います。ミートボールや豆など、ツルっとしているからなかなか掴めないんですよね。

 そんな時にズボッと突き刺して食べれば簡単簡単・・・なんて言っていると嫌われます。結構やりがちなので注意が必要です。

刺し箸がなぜいけないのか

 食べ物に箸を突き刺して食べるのは見た目によくないですよね。豆などのツルツルした食材では、うまく刺さらずピンッと跳ねてしまうなんてこともありますし。

 実はそのほかにも理由があります。火の通りを疑って、確認しているような動作になってしまうので、料理人に失礼な態度だからという理由があります。

 今の時代、色々な問題があって100%料理人を信用できないかもしれませんが、とりあえず料理に箸を突き刺して食べるのはマナー違反なんだなと覚えておくといいかもしれません。

叩き箸

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叩き箸とは

 お箸で茶碗を叩いて「チンッ」と音を鳴らす行為を指します。チンッチンッとリズミカルに叩く動作は子供さんなんかがやりがちです。

 子供がやるとついついかわいいから許してしまいがちですが、お箸と茶碗は楽器ではありません。そんな時は「メッ」と叱ってあげましょう。

叩き箸がなぜいけないのか

 茶碗を箸で叩いてチンッと音を鳴らす行為は「人を呼ぶ音」や「楽器として遊ぶ行為」となり、人に不快な思いをさせる場合があります。

 酔っ払いさんなんかが、箸を持って皿を叩いて「お~~~い 店員さんまだか~~?」なんてやっていたら気分悪いですよね。

涙箸

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涙箸とは

 汁気たっぷりのおかずを箸で食べる時に、汁をしたたらせながら口に運ぶ動作です。したたる汁を涙に見立てて「涙箸」と呼んでるんですね。

涙箸がなぜいけないのか

 汁をテーブルにボタボタ垂らしながら食事するのって、どうでしょうか。

 テーブルから洋服から汁まみれにして食べている姿を見たら、100年の恋も冷めてしまいませんか?

 え?子供みたいな食べ方に逆にキュンとしちゃうって?・・・えーと、そういう方は置いといて、あまり人前ではやらない方が吉です。

迷い箸(惑い箸、なまじ箸)

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迷い箸とは

 「どのおかずから食べようかな~迷っちゃう!!」などと、料理の上空を箸で行ったり来たりと動かす動作を言います。

 料理の上で惑うことから、惑い箸とも呼ばれます。

迷い箸がなぜいけないのか

 料理人(お母さんやお父さん)が一生懸命作って出した食事はどれも美味しいはずです。逆に言うと、迷うということは「どれがおいしいかな?」と探っているように見えてしまう場合があるんですね。

 ただ一番最初に食べたい物を選んでるだけだよ!と反論があるかもしれません。

 でしたら、料理の上空で箸をブンブン振り回さず、心の中で迷ってから箸を動かしましょう!その方がとってもスマートですね。

寄せ箸

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寄せ箸とは

 ちょっと届かない皿を、箸を使ってこちら側へズズッと引き寄せる行為です。

 お家などの超プライベートな空間ではやりがちな嫌い箸ですね。

寄せ箸がなぜいけないのか

 一言で言うと「見た目がよろしくない」からです。箸を使って皿の端にひっかけ、ズズーっと移動させる行為は見た目に美しくありません。

 あ、今「箸」と「端」をひっかけてみました。え?つまらないって?

 知ってますよそんなこと!一言で終わっちゃうと味気ないので一生懸命考えたんですよ!!(いきなりキレるのが一番のマナー違反です。)

指し箸

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指し箸とは

 刺し箸と発音が同じなので間違いがちですが、こちらは持っている箸を相手に向けて「それな」とかってやってしまう行為です。

 他にも、箸で物を指し示す行為にも使います。

指し箸がなぜいけないのか

 食事中に恋人が塩を箸で指して「それとって」なんて言ってきた場合を想像してください。

 すごく行儀悪い行為に見えませんか?箸で指された方は不快です。なんとなくやってしまいがちですが、指されたほうはドン引きです。やめた方がいいでしょう。

箸渡し(橋箸)

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渡し箸とは

 箸渡しと呼び方が似ているので勘違いしてしまいますが、全く別の嫌い箸です。橋箸とも呼ばれます。

 これは箸置きに箸を置かず、直接器の上で横にかけてしまう所作を言います。箸を橋のように渡すことから「橋箸」と呼ばれるんですね。

渡し箸がなぜいけないのか

 箸を休める時は器にではなく、箸置きを使うべきです。箸置きがない場合には、懐紙や箸が入っていた紙を折って箸置きを作ってもいいでしょう。

 もしくは、渡し箸にならないように器の端っこに箸先を立てかけるようにするといいと思います。

噛み箸

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噛み箸とは

 箸先を噛み噛みしてしまう行為です。子供さんなんかがよくやっているのを見かけますね。

 箸を噛む姿は見ていても気持ちよくありません。もし子供がやっていたら辞めさせるといいでしょう。

噛み箸がなぜいけないのか

 噛み箸は、箸を使い物にならなくしてしまいます。つまり「箸の寿命を縮める行為」なんですね。

 高級店にお食事をしに行った時に出てくる箸は割り箸ではない事があります。その時に箸先を噛んで潰されてはお店が泣いてしまいます。やめましょう。

 割り箸だったらいいのかと言うと、そうでもありません。食べ終わった食事を片付けにきた店員さんが歯形のついた割り箸を見たらどう思うでしょうか。

 きっと、汚いな、嫌だなと感じると思うんです。
 
 店員さんはそれが仕事だと言われたら終わりですが、お互い気持ちよくなるために気をつけたいお作法の一つです。

探り箸

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探り箸とは

 料理をいただいている時に、お箸をお椀につっこみ、かき回して好みの具があるか探る行為です。

探り箸がなぜいけないのか

 色々な物が入っている煮物を食べる時、鶏肉だけを探してお椀をかき回して探す行為は何故いけないのかはすぐわかります。

 大人数で同じ皿をシェアしている時にこれをやられたら、食べる気が失せてしまいますね。単純に汚いです。

その他の嫌い箸

その他にも数多くの嫌い箸があります。一部を抜粋して紹介したいと思います。

  • 掻き箸(かきばし) 食器に口を付けて、箸で食べ物を掻きこむこと。食いしん坊スタイル
  • 撥ね箸(はねばし) 嫌いなものを箸でどけてしまう行為 好き嫌いが多い人がやりがち
  • 楊枝箸(ようじばし) 箸をヨウジ代わりに使い、歯に詰った物を取ろうとすること
  • 洗い箸(あらいばし) 汁物などで箸をあらっちゃう行為
  • 直箸(じかばし) たくさんの人と食事をする時に取り箸を使わずに、大皿の料理を自分の箸で直

なぜ嫌い箸は存在するのか

 なぜこんなにも堅苦しいようなお作法があるのでしょうか。それはきっと「相手に不快な思いをさせない動作」を何百年も追及した結果だからだと思います。

 今に伝わるお作法のうち、すでに「何で駄目なの?」と思うような作法があったりもしますが、その他の多くはやられると不快な思いをしそうな物ばかりでした。

 マナーをそのまま覚えるのではなく、「何故、そのマナーは守らないといけないのか」を考えると自然と身に付くのではないかと思いました。

 自分が思うように好き勝手に食べるのではなく、一緒に食べている相手の事も考えると楽しく食事ができるのではないでしょうか。

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