猫のストルバイト尿結石や下部尿路疾患(FLUTD)にお困りですか?これらの病気は慢性化しやすく、一度治ったと思ってもすぐ再発してしまいます。どうすれば再発を防ぐ事ができるのか?
大事なのは、普段から猫尿のpH(ペーハー)をチェックする事です。例えばストルバイト尿結石になりやすい尿はアルカリ性になります。逆におしっこが酸性に傾いた時はシュウ酸カルシウム尿石症になりやすくなります。
私の飼い猫はストルバイト結石を繰り返し、同時に膀胱炎にも何度も何度もかかってしまいました。何回も獣医さんにお世話になり、二度も入院させてしまいました。二度目の入院の時に、もうこんなかわいそうな目にはあわせまいと必死に勉強しました。先生にも色々と話を聞き、たどり着いたのが、猫の尿を自分で測定する事です。
現在はかなり落ち着いていて、しっかりとコントロールし続ければ再発は無さそうかな?という所まで来ました。今回は、その経験を活かして、簡単に家で猫尿のpHを計る方法と同時に、どのような状態だと結石ができてしまうのかをじっくりとご紹介していきたいと思います。
猫のpHコントロールとは
猫の尿結石治療としては、おしっこのpHコントロールが最重要です。基本的には獣医さんに教えてもらった療養食(phコントロール食)や薬によって治療をしていく事になります。
猫の尿はpH7.0以上(アルカリ性に傾くと言う)になるとかなり結晶化しやすくなります。逆に、6.0以下になると今度はシュウ酸カルシウム尿結晶になりやすくなってしまいます。難しいですね~。
猫のpHコントロールとは猫のおしっこ正常値である、pH6.0~6.4になるように尿pHをコントロールしようというお話です。
猫尿のpHを簡単にチェックする方法
ph試験紙(リトマス試験紙)を使う
理科の授業で登場したぺらっぺらの紙です。pH試験紙に猫のおしっこをつけて、酸性、中性、アルカリ性を調べます。試験紙の色が何色に変わるかでpHが測定できます。
近くの薬局や、熱帯魚が売っているショップ、ホームセンター等で売っています。おすすめは熱帯魚屋さんです。熱帯魚を飼うには水槽のpHをコントロールしなくてはいけないので、結構ph試験紙を扱っている店が多いんです。
ただ、私の場合は面倒なのでアマゾンとか楽天などの通販で買ってしまいます。100枚単位で数百円、高くても1000円ぐらいなので、一度買ってしまえばしばらく使えます。
pH試験紙の良い所
- 数百円で売っている。安い!
- 手に入れやすい
pH試験紙の悪い所
- 色の変化が分かりづらい時がある
- 尿をつけるのが最初は難しい
pHメーター(ph測定器)を使う
phを測定する専用の機械です。phメーターを使う事で、正確に0.1単位で測定できます。きっちりとpHコントロールしたい人向けです。
昔はプロが使う高価な機械だったのですが、アクアリウムが流行したので、pHメーターがかなり安価になりました。それでも数千円はします。通販で買うほうが圧倒的に安いので、アマゾンや楽天で買う事をおすすめします。
pHメーターの良い所
- phを正確に測定できる(0.1単位で測定可能)
pHメーターの悪い所
- 値段が高い
phチェックができる猫トイレ砂
一番簡単な方法が、トイレの猫砂をペーハーチェック猫砂に変える事です。ただし、具体的な数値が分かりにくいです。何点か商品をご紹介したいと思います。
アイリスオーヤマ phチェック猫砂
phチェックが猫砂でできます。ph7.5を超えるおしっこがかかると、砂の色が青色に変わります。白い猫砂なので血尿も一発で分かるのですぐれものです。ph7.5は結構なアルカリ性なので、一度安定した猫のおしっこがアルカリ性になったかどうか?を知りたい時に使うといいでしょう。
良い所
- トイレに敷いておくだけでphチェックができる
- 血尿も分かる
- おしっこ玉になるので尿量も分かりやすい
悪い所
- 1袋がとにかく重い!!(6kgオーバー)
- ph数値が正確に分からない(アルカリ性かどうか、ぐらいしか分からない)
エルル おしっこチェックもできちゃうサンド
中性が緑色になるので、phチェック猫砂よりは具体的な数値が分かります。中性はph7.0という事さえ覚えておけば、緑色になった時点で怪しいおしっこだと気づけます。
良い所
- トイレに敷いておくだけでphチェックができる
- 血尿も分かる
- おしっこ玉になるので尿量も分かりやすい
- 酸性、中性、アルカリ性が分かる
悪い所
- これも結構重い・・・(最小パッケージで5kgオーバー)
- ph数値が正確に分からない(phチェック猫砂よりは分かる)
ラヴィートワレ
フランス人獣医師が開発した海外製の猫砂。結構お高いけど高機能。ペーハーが分かる以外に尿中の成分に反応して色が変わります。例えば肝臓疾患の疑いがある場合はピンクになります。結構面白い商品です。
良い所
- トイレに敷いておくだけでphチェックができる
- 血尿も分かる
- ペーハー測定以外の機能が充実している
悪い所
- 値段が高い!
- ph数値が正確に分からない
- まず一般のペットショップには置いていない。通販でしか買えない
phコントロールの注意点
猫尿のphは一日の中でも結構変動します。なので一日に数回チェックする事が大事です。phが一日中危険水域にある時は必ず獣医師さんに相談して下さい。結石が作られ、尿管に詰まってしまうとオシッコが出なくなり、かなり危険です。
phコントロールは尿結石にはとても重要なのですが、それが治療の全てでは無いということです。獣医師さんの言う事を必ず守りましょう。
ただ、猫は繊細でストレスを感じやすい生き物です。病院に何度も何度も行く事でストレスに感じてしまう場合もあるでしょう。
自宅で検査する事で、猫のストレスを減らす事にもなります。ただし、あまりph値を信じ込まず、猫が明らかにいつもとおかしいと思ったらペーハーの事なんて忘れて病院に行くべきです。
簡単チェック!猫の尿Phを家ですぐ計測できる方法 まとめ
確実に検査したいなら・・・pHメーター
手軽で安価、正確性も安定している・・・ph試験紙
数値は分かり辛いけどとっても簡単・・・猫砂
少し値段が高いけれど、一番信頼性が高いのはphメーターです。そこまで必要無いという方にはpH試験紙をおすすめします。というよりは、まずは手軽で安価に、手に入れやすいph試験紙から始めるのをおすすめします。
状態が安定している猫ちゃんには猫砂をおすすめします。毎日ph試験紙でチェックするのも飼い主さんにも猫ちゃんにも負担がかかります。なので、砂を敷いておくだけでおしっこのpHチェックできる猫砂は便利です。猫のおしっこがアルカリ性に傾いたなっていうのがすぐに分かりますから。
猫ちゃんの状態によってチェック方法を上手に使い分け、しっかりと猫の尿pH、ストルバイトや尿路疾患を管理していきたいですね。